大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)775 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人加藤正次の上告理由第一点の一について。

論旨は、要するにすべて、原審の裁量に委ねられた証拠の判断、事実の認定を独

自の見解に立つて非難するに帰着するものであつて、採るを得ない。

同第一点の二について。

論旨中、原審の事実認定は、経験則に違反する旨の主張があるけれども、所論事

実の認定は、これに対応する原判決挙示の証拠に徴すれば、是認し得られるのであ

つて、右認定及びこれに至る過程に、所論の如き経験則違反の迹を見出し得ない。

右論旨は、結局、原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断、事実の認定を独自の見

解に立つて非難するに帰着するものであり、また、その余の論旨は、原審の認定し

ない事実を主張し、これを前提として原判決を攻撃するものであつて、何れも、上

告適法の理由とならないから、採るを得ない。

同第二点について。

訴外Dが、本訴口頭弁論終結後、原審当事者全員(上告人A並に被上告人B1及

び同B2)を相手方として第二の当事者参加を申立て、かつ、これに伴つて弁論再

開を申請したけれども、原審は、右参加申立の許否を判断することなくして本件判

決を言渡したことは、記録上、明白である(論旨は、上告人Aより弁論再開を申請

したものの如く主張するけれども、記録上、その迹がない。)かかる場合、原審が

右当事者参加の許否の決定をなすことなくして、本来の訴訟につき本案判決を言渡

したことを以つて、違法であるとする主張は、原判決における当事者である上告人

の上告適法の理由とならないことは、当裁判所の判例とするところである(昭和三

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五年(オ)第二一三号同三七年五月二九日第三小法廷判決、集一六巻五号一二三三

頁)。また、終結した口頭弁論を再開するか否かは、専ら、裁判所の裁量に委ねら

れて居る事項である。したがつて、原審の所論措置に所論の如き違法があるものと

はなし得ない。

更に、仮に、本件山林土地が被上告人B1の所有であり、その管理人であつた被

上告人B2の承認の下に、訴外Dが右土地に植林したとしても、同人において、民

法二四二条但書により植栽した立木の所有者となり得ることのあるは格別、同人が、

同条の解釈上、所論の如くに、本件山林土地の所有権を取得するものであるとなす

べき根拠を見出し得ない。同人が、本件土地山林の所有者となつたとする論旨は、

同条を誤解したところから出たものである。

論旨は、すべて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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